1.AfterEffectsでエクスプレッションを使おう
AfterEffectsの中でコードを使用できます。コードを使うことで単純作業などを自動化できます。これを「エクスプレッション」と言います。
1-1.腕を振る動作で使える: loopOut
たとえばloopOut() は、「打ってあるキーフレームの終わりまでいったら、最初に戻って(または繰り返して)再生する」というエクスプレッションです。
キャラクターの腕の振り(往復運動)を作る場合、主に次の2種類の引数(ひきすう)のうち、どちらかを使います。
① 往復ループ:loopOut("pingpong")
腕の振りのように、「行って、戻る」動きに最適です。
- 仕組み: キーフレームを「前へ振る > 後ろへ振る」まで作ると、その後は自動的に「前へ > 後ろへ > 前へ…」とピンポン玉のように往復してくれます。
- メリット: 往復分のキーフレームを打つだけで済むので、歩行サイクルの作成が楽になります。

② 単純ループ:loopOut("cycle")
最初のキーフレームから最後のキーフレームへの動きを、「時計の針」のように一方向に繰り返すエクスプレッションです(※デフォルトの設定なので、単に loopOut() と書くだけでもこれになります)。
- 仕組み: 最後のキーフレームに達すると、瞬時に最初のキーフレームの位置に戻って再生を繰り返します。
- 使いどころ: タイヤの回転や、背景の雲が右から左へ流れて画面外に消え、また右から出てくるような動き(先ほどの背景ループなど)に使います。
やり方(腕の振りの場合)
- 腕レイヤーの「回転(Rotation)」を使い、1.開始位置 → 2.前振りなど、片道分のキーフレームを2点打ちます。
Altキーを押しながら、「回転」の左側にあるストップウォッチ型のアイコンをクリックします。右側の数字が赤くなります。- タイムラインにテキスト入力欄が現れるので、半角英数でコードを入力します。
loopOut("pingpong")
1-2. タイヤの回転で使える:time
time は、「現在の時間(秒数)」の数値をそのままプロパティに代入するエクスプレッションです。キーフレームを1つも打たずに、ずっと一定の速度で動かしたいときに使います。
コンポジションの時間が 1秒のときは 1、5秒のときは 5 という数値が自動で入ります。これに算数の計算(掛け算など)を組み合わせて速度を調整します。
よく使う書き方(掛け算 )
単に time とだけ書くと、1秒間に1ピクセル(または1度)しか動かないため、動きが遅すぎます。そのため、通常は後ろに数値を掛け合わせます。
time * 100= 1秒間に 100(ピクセルまたは度)ずつ数値が増える。time * -50= 1秒間に 50ずつ数値が減る(逆方向に動く)。
使いどころ
- 車輪や歯車の回転:
「回転」にtime * 360と書けば、1秒間にぴったり1回転(360度)し続けます。
2.背景を工夫しよう
2-1.視差効果
自然に見せるための「視差(パララックス)」の工夫
山や空などの大自然を舞台にする場合、すべての背景が同じ速度で動くと、平面的で不自然な印象になってしまいます。現実の風景と同じように、「遠くのものは遅く、近くのものは速く」動かすパララックス(視差効果)を取り入れましょう。
たとえばレイヤーを以下のように分けて、流れる速度(キーフレームの移動量)を調整します。
| レイヤーの階層 | 具体例 | 動きの速度 | 工夫のポイント |
|---|---|---|---|
| 最背面(遠景) | 空、太陽、月 | ほぼ動かさない(または極めて低速) | 雲だけをわずかに左へ動かすとリアルになります。 |
| 背面(中景) | 遠くの山、地平線 | 低速(ゆっくり左へ) | わずかに位置を変化させます。 |
| 中面(近景) | 近くの木、電柱、道 | 高速(素早く左へ) | キャラクターの歩行速度(足の接地感)と速度を合わせます。 |